皆川博子著『冬の旅人』

皆川博子さんの『冬の旅人』を読み終えました。びっしり2段組の分厚い本なので、読むのに時間がかかるだろうなと思いつつ、やはりこれまでと同様、読み始めたら止まらなくなって1週間ほどで読み終えました。

ロシアに留学し、そのままそこで生を歩む一人の日本人女性の話です。実在の人物なども交え、話がすすむので、途中で、あれ、これって伝記だったのか?と思ったのですが、フィクションでした。

最初は女学生、そして脱走し、流刑になる人について行って、シベリアて貧しく生活したりするのですが、後半には皇族と関わりになる生活になります。ものすごい改革に巻き込まれ、すごい激動の時代を生きるのですが、心理描写や生活の描写がしっかり書かれていて、作中の人物を遠いところの存在と感じさせません。

毎回思うことですが、作者の皆川博子さんはいったい何作「代表作」と言っていいすごい本を書くのだろうか。御齢80歳を超えていますが、もっと書いてほしい。わがままを言うなら、彼女のドイツを舞台にした作品はだいたい読んでしまったので、新作を読みたいなぁ。